労働者vs使用者 ~最近のご相談事例

こんばんは。

今度は1か月半も更新が遅れてしまいました。

継続は力なり。こうして一般の方々に発信する文章を書くことで、私自身の力にもなるんだ。

だから、まめな更新を心がけよう。

…という意思は固いのですが、ネタ切れ感が否めませんので、ブログネタ大募集中です。

弁護士にきいてみたい法律問題や日頃の生活についてのあんなことやこんなこと、あなたのご提案お待ちしています。

 

今日は、最近の相談事例について書きたいと思います。

最近当事務所でご相談が多いのは、労働問題に関するご相談です。

以前も書きましたが、私は労働紛争には興味があって労働分野のスペシャリストになりたいと考えていますが、労働者側でも使用者側でも立場にしばりはありません。ですから、労働者の方も使用者の方もお気軽に当事務所にご相談にいらしてくださいね。

 

さて、話に戻りますが、最近いただく相談事例は年休に関するご相談や残業代に関するご相談から、退職にいたる相談まで幅広いのですが、共通することが1つあります。

それは、使用者の労務管理に関する基本的な理解が欠けていることです。

私がこういうことを言うのは、労働者側に立って「労働者の権利を侵害する使用者なんてけしからん!」と言うためだけではなく、使用者側に立って「労働紛争を未然に予防する=社内コンプライアンスを上げていくことで、世間の会社に対する信用を一緒に高めていきましょうよ」と提案するためです。むちゃくちゃに労働者を使用して紛争になっているようでは対内の信頼も確立できていないわけですから、会社外部からの信用なんぞ得られるわけがないですもんね。会社内のコンプライアンスがむちゃくちゃであることが何かの拍子で会社外部にもれてしまったら、ちゃんとした会社はその会社を相手にしてくれなくなります。つまり、その分売上がなくなります。社内コンプライアンスの確立はそういうリスクのヘッジということですね。

もう一度言いますが、私は労働者の味方でも使用者の味方でもありません。お客様の味方です。

 

というわけで、最近あった使用者の違法な言い分をいくつか挙げて検討してみたいと思います。

 

1 「君が年休をとることは認めない」

 こういうことを使用者から言われた/労働者に言ってしまったことってないですか??

 そういうことがあったとしたら、この使用者の言い分は違法です。年休届を社長にたたきつけて希望日に休んでしまいましょう。こういうことを言ってしまった使用者の方は、後述する「時季変更権」の行使をしましょう。

 まず、年休(正式には「年次有給休暇」といいます)は、法律上規定された要件を充足すれば当然に発生する権利で(6か月以上の継続勤務&全労働日の8割以上出勤)、労働者が年休権を行使するのに使用者の承認や許可は不要です。

 でも、例えば、ギフトショップなどでお歳暮やお中元のくそ忙しいときに従業員がまとまって年休を行使されたら、会社はつぶれちゃいますよね。そういう(労働者の年休権の行使が)「事業の正常な運営を妨げる場合」ときには、使用者は「時季変更権」という権利を使って労働者が年休をとる時期を変更してもらうことができるのです。ここで注意しなくてはいけないのは、この権利は、あくまで「年休を行使する時季を変更してもらう」権利であって、「年休を行使させない」権利ではありません。だから、簡単に言うと、「この時期はどうしてもだめだから、年休をとるのは来週にしてください」という方法でなくてはならず、「うちの店はいつも忙しいから、年休とるのやめてくれる?今週も来週も今月も来月も人手が足りなくて休まれたら困る。君がお休みとれる見通しはないよ。」というのは完全にアウトローなのです。

 こんなことをコンプライアンスが叫ばれる現代において言っている使用者がいたとしたらそれ自体でかなり恥ずかしいですし、それに加えて弁護士にも相談していないこということが乗っかれば前述したリスクヘッジもできない無能な経営者だと思いますから、その会社は間もなくつぶれると思います。そんな会社は将来性がないので、いますぐ転職活動をしたほうが将来の自分のためでしょう。これを読んでちょっとひやっとしてしまった経営者様がいらっしゃいましたら、すぐに法律専門家である弁護士に相談できる環境を作りましょう。問題はリスクヘッジができるかできないかです。

 

2 「基本給に(毎月●時間程度の)残業は織り込み済みだから、残業代は払わないよ」

 これもそうです。それはそうですよね。

 こんなことがまかり通るとしたら、労働基準法に労働時間とその手当に関する規制があるのに使用者は残業代を支払うことはないわけですから、使用者はみんなこういう労働契約にするので、法律意味なくなっちゃいますよね。

 ここで注意したいのは、法律上残業代(割り増しされた賃金)が出るのは8時間以上残業した場合のときです。

 たとえば、よくある勤務体系で言うと、午前9時に出勤・午後5時に退勤・午後12時から午後1時まで休憩と言う場合で言うと、普通の勤務で働くのは7時間ですよね。8時間まであと1時間満たないわけですから、午後6時まで残業したとしても割り増しされた残業代はつきません(もっとも、基礎賃金をベースに賃金は支払われます)。割り増し残業代がつくのは、この会社の場合だと、午後6時以降の労働についてです。時間外賃金は、基礎賃金に最低2割5分の割り増しが必要で、午後10時以降の労働だとそれに加えて2割5分=5割の割増賃金が支払われなくてはいけなくなるのです。

 

3 「(私と君の雇用契約は期間の定めのない労働契約だけど)この時期にはやめさせられないよ。代わりがいないから、君にやめられたら困るもん。今退職するなら、代わりの人連れてきて。」

 使用者の気持ちはわかるのですが、これも違法です。

 民法では、期間の定めのない労働契約は、いつでも各当事者が解約の申し入れをすることができ、その申し入れの2週間後にはその効力が生じます=やめられます(民法627条1項)。

 もっとも、この規定は任意規定ですから、特段の合意がある場合にはその規定にしばられます。

 たとえば、希望退職日の3か月前には退職の申出をしなくてはいけないとかはこの特段の合意にあたります。

 なかなか退職届を受理してくれないなんていう使用者がいたら、内容証明郵便で退職届を出すのも1つですよね。こういう意味で、使用者は労働者から退職を迫られたら応じざるをえないんですよね。だから、労働者が働きやすい環境づくりをして、心理的にやめにくい(やめたくない)状況を作り出して、長く勤めてもらうようにするしかないんだと思います。

 

 代表的なものを3つ述べましたが、確かに違法ではあるけれど、上司にもっともらしく言われたら「そういうもんなのかなー」とおもっちゃうところもありそうですよね。それは言い換えれば、使用者も知らず知らずのうちに違法な言動をしちゃうことがあるってことです。そういう無意識のうちに行われた言動によって、その会社が非常識な組織だと思われて、信用失墜して倒産するなんて、使用者にとっては本当にこわいことだと思います。

 そういうリスクをかぶらないために会社側にも身近に相談できる弁護士が必要で、当然のことながら自分の生活を守るために労働者にも弁護士が必要だと思うのです。

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