弁護士に依頼するメリット (私選弁護人を選任するメリット)
刑事弁護人には、国が選任する国選弁護人と、一般市民つまり私人が選任する私選弁護人があります。国選弁護人は、そもそも一定の資力要件をクリアした方に原則として起訴後から就くものですが、ここでは私選弁護人を就けるメリットをご説明します。
まず、私選弁護人の大きなメリットは、自分の好きな弁護士に刑事弁護人になってもらうことができるという点です。国選弁護人は、各弁護士会が管理する国選弁護人登録名簿の中から弁護士会(法テラス)がランダムに選ぶので、自分で弁護士を選ぶことができません。警察・検察という強大な権力に対峙するには、弁護人との強固な信頼関係が不可欠ですから、自分が好きな弁護士を選任できるというのはかなり有利なことです。
次に、私選弁護人のメリットとして挙げられるのは、捜査の早期の段階から弁護士による弁護を受けられるという点です。国選弁護人は原則として起訴後から選任されますが(ただし、死刑及び長期3年を超える罪が被疑事実になっている場合には逮捕後起訴前から国選弁護人が選任されます)、私選弁護人は逮捕前の事情聴取段階から選任することができます。「それでも僕はやってない」という映画でも周知されたように、起訴されたら有罪判決を受ける率は99.9%です。しかし、起訴されなかった被疑者を含めれば、最終的に有罪判決を受けるのは約5割強まで下がります。そうすると、起訴されないための弁護、つまり起訴前弁護がいかに刑事手続上重要なものかお分かりいただけると思います。また、仮に起訴前から弁護人が就いていれば、仮に結果として起訴されてしまったとしても、起訴前弁護人は起訴前の捜査の様子を知っていますから、刑事裁判で捜査の違法性を的確に指摘できるなど起訴後においても有効です。
なお、私は、反社会的勢力の方からの私選弁護のご依頼はお断りさせていただいています。
弁護士費用
着手金 | 着手金は、一律30万円とします。 |
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成功報酬 | 成功報酬は、不起訴処分および無罪を獲得した場合は30万円、求刑の4割以上の減軽の場合には20万円、3割の減軽の場合には10万円とします。執行猶予の獲得については、事案によってあまりの難易度に差異がありますから、委任契約の際に10万円から25万円の範囲で協議をさせていただきます。 これ以外の場合には、成功報酬は発生しません。 |
実費 | 1万円をお預かりします。 証拠資料の収集等に実費がかかりそうな場合には、3万円までの範囲でお預かり金額を上げる場合があります。また、実費がお預かり金額を超えてしまった場合には、事件終了後に清算をさせていただきます。 |
Q&A
これはいわゆる「任意同行」といいますが、強制処分ではありませんから断ることはできます。
しかし、すでに逮捕状が出ている場合もありますから、任意同行を断ることで即逮捕(逮捕状の執行)という場合もありますので、注意が必要です。
できます。
被告人又は被疑者(本人)の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、被告人又は被疑者本人の意思とは関わりなく独立して弁護人を選任できます。
できます。
準抗告という方法で裁判官の決定に不服を申し立てます。
保釈という制度がありますので、それによって身柄の解放が可能です。
弁護人に保釈申請をしてもらってください。もっとも、下記のように保釈には保釈保証金の納付が必要ですが、保釈保証金を用意することで、被害者がいる犯罪の場合には示談金を確保できなくなってしまう場合がありますから、保釈申請をするのかしないのかというのは弁護人とよく相談をして決めるべきです。
正確には保釈保証金といいますが、保釈保証金はその被告人の収入状況によります。
ただ、1つの目安は150万円から200万円です。
なお、この保釈保証金は、被告人の裁判への出頭を確保するものですから、裁判終了後返金されます。
確かにそのような方も少なくないでしょう。
しかし、保釈保証金を納めなければ裁判が終了するまでずっと留置場です。第1回の裁判期日までだいたい1か月ですから、保釈保証金を納めなければ短くても1か月間は留置場の中です。職を持っている方なら、1か月も無断欠勤が続いている状況ですから、会社を解雇される可能性もあります。
そんなときに、保釈支援協会という保釈保証金を一時的に貸与してくれる協会があります。この団体から保釈保証金を借りるには弁護人の協力が必要ですが、この協会は一般のお金の貸し付けに比べて利子が高く、批判的な弁護士も少なくありません。私は、上に述べたような、短くても1か月間は留置場にいることのリスクと、この協会からお金を借りて利子を払うことのリスクは、前者のほうが圧倒的に大きいと思いますから、保釈保証金を用意できない方には手続に積極的に協力するようにしています。
そのような場合には、弁護士に告訴状を作成してもらって、告訴状の提出に同行してもらいましょう。一般の方が告訴状を提出するのと、専門職である弁護士が同行して告訴状を提出するのでは、効果がまったく異なることは想像に難くない現実でしょう。