養育費の考え方

 先日書けなかった養育費について書きたいと思います。

 

 最近、養育費に関するご相談が多いような気がします。

 弁護士代理人がついている場合には、多くの場合(すべてではありません)後で述べるような基本的な考え方をベースに話し合いが進むので、つまり落としどころが共通認識であるので、円滑な話し合いができる場合が多いです。つまり、養育費でモメることはほとんどないと思っています。

 

 しかし、弁護士代理人がついていない場合、基準をまったく無視するような要求があったりするのでモメる場合があります。具体的には、子どもを育てていく側は1円でも多くもらいたいですし、子どもを育てない側は1円でも少なくしたいと思うのが当然だと思いますが、「子どもを育てるにはこれだけかかっているんだからこれだけ支払え!」「そんなに払えないからもう少しまけてくれ!」みたいな不毛な議論になって無用に長期化します。気持ちはわかるのですが、そういうことでは解決ができませんので、以下に養育費についての基本的な考え方を書きたいと思います。

 

 まず、養育費とは親が子に対して民法上当然負う扶養義務というのが根拠です。そして、監護親と非監護親の収入比率をもとに、適正に非監護親の稼ぎが子どもの養育のための費用に割り当てられるようにするというのが養育費の制度趣旨です。

 ここで、「子どもの養育のために必要な費用」というのは、監護親と非監護親のどちらか生活レベルの高いほうに合わせて子どもを養育させた場合にかかる費用のことをいいます。離婚や未婚は大人の問題であり子どもとは関係ない問題でありますが、離婚がなければ子どもは生活レベルの高いほうの親と生活していたわけですから、これはある意味当然ですよね。

 このような養育費についての基本的な考え方に従えば、親の収入から子どもの生活を決めるのであって、子どもの養育に現実にかかった費用を親に分担させる制度ではないということです。これは、弁護士がついていない当事者に一番多い勘違いです。

 監護親からしたら子どもに良い生活をさせてあげたい(養育費は1円でも高くもらいたい)というのは当然の心情だとおもうのですが、上記のような基本的な考え方に従えば、非監護親の方が稼ぎがいい場合であっても、非監護親の生活水準以上の経済的な負担を非監護親に要求することはできないのです。言い換えれば、監護親には非監護親の収入の範囲で子どもを養育させなくてはならないのです。

 

 次に、前述した「基準」について説明します。

 裁判所においては、両親の収入比率に応じて養育費額が一覧できる早見表が基準とされていますが、この早見表はテキトーに作られているのではなく、ある計算式によって算出された数値をもとに個別具体的な事情を考慮して適正だと思われる養育費額がかいてあるのです。

 その計算式は、簡単に言うと、3段階(詳細はネットで検索してみてください)

 ①基礎収入の計算

 ②子の生活費の計算

 ③収入に応じた子の生活費の割り付け計算

です。

 養育費に関する事件を扱う場合、まずはこの計算式によって月額養育費を計算します。計算式ですから、一義的に回答が出るわけです。特別に考慮すべき事情がないなら、家事審判や裁判移行した場合この数値が月額養育費額となります。

 そして、特別に考慮すべき事情がある場合には、この数値からおおまかにいうとプラスマイナス1万円の範囲で上下させるべきか考えます。この理論値よりも引き上げるべきだと主張する当事者は、なぜこの数字よりも高額な養育費が必要なのかを主張しなくてはいけません。言い換えると、なぜ他の家庭よりも自分の家の子どもを育てるには金がかかるのか説明しなくてはいけません。ここにいう特別な事情には、「子どもの養育に現にこれだけかかっているから」というのは含まれません。繰り返しますが、子どもの生活から養育費の額を決めるのではなく、親の稼ぎから養育費額をきめるというのが養育費の基本的な考え方だからです。それでは、何がこの特別な事情にあたるかといえば、子どもに特別な持病があったりして医療費が他の子どもに比べてかかるような場合などをいいます。このような場合には、生活レベル云々の話は妥当しませんから、養育にかかった費用を適正に両親が分担すべきという話になります。

 この特別な事情は、逆の場合もしかりです。理論値よりも低い養育費額を主張するなら、なぜその養育費額でいいのか、なぜその子供の養育には平均よりも金がかからないのかというところを説明しなくてはなりません。たとえば、それまでに理論値をはるかに上回る養育費の支払いをしていることから、養育費を減額しても適正な生活レベルは保たれるような場合をいうでしょう。

 このように考えると、養育費の額は理論値±1万円の範囲内で議論されなくてはならないのですが、一般の方だとそのへんが納得できない方が多いみたいです。調停でまとまらない場合には、家事審判に移行して、上記の理論値が出てしまうけど・・・という前提がなくては、進むべき話し合いも進まなくなってしまいます。ですから、養育費でモメそうなときは双方代理人を立てて話し合うべきなんだと思っています。お互いに無駄な時間を過ごさないために、弁護士を雇うのです。

 

 このように、やっぱり養育費に関する紛争においても、弁護士って必要だと思うのです。

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