面会交流拒否

弁護士は、法律に則って依頼者の要望を叶えていくのが仕事です。

しかし、弁護士に基本的な理解が欠けているのか知りませんが、同趣旨の違法な主張を堂々とされた例が複数件あるので、一般市民の皆さんへの注意喚起のためにブログに書きます。

具体的には、面会交流拒否についてです。

(離婚前の)別居時の非監護親の子に対する面会交流、離婚後の非監護親の子に対する面会交流の場合を問わず、面会交流は子の福祉のためにするものです。つまり、子のためにするものです。

ですから、面会交流を拒否できるのは、「子どもに悪影響があるから」という理由以外ありえません

もっと突っ込んで言うと、監護親に子を非監護親と面会交流させるかさせないか、どういう条件で面会交流をさせるか決める権限はありません

私が非監護親のお客様から依頼を受けて、監護親の代理人の弁護士に面会交流の日程調整についてお話をしようとしたところ、
「離婚問題がごちゃごちゃしていて、依頼者(監護親)が面会交流に積極的ではないから」
とか、
「依頼者(監護親)が非監護親を信頼できないから」
とか、
の理由で面会交流を拒否されたことがありました。

もう一度繰り返しますが、弁護士は法律にのっとって依頼者の要望を叶えていくのが仕事です。
そして、法律上面会交流が拒否できるのは「面会交流をさせると子どもに悪影響が及ぶ」場合以外ありえません。つまり、こういう主張を堂々としてくる弁護士は、そもそも法律上通らない主張をしているだけですから、弁護士として資質を疑わざるを得ません。

確かに、監護親の代理人だった場合、どうしても自分のお客さんが非監護親に対して面会交流させたくないという場合はあると思います。しかし、そういう場合でも、以上のような理由を説明して、面会交流をさせないことは違法であって、離婚前なら面会交流の拒否は親権者の指定について不利益をもたらす(フレンドリーペアレントルール)等のことを説明して、面会交流を実現させるようにまずは自分のお客さんを説得すべきです。

それでもだめなら、面会交流を拒否できる適法な理由を考えるのが弁護士の仕事です。なぜなら、弁護士は法律に則って依頼者の要望を叶えていくのが仕事だからです。もっと具体的に言うと、「あなたと面会交流させると子どもにこういう悪影響を与えるから拒否します」「こういう条件を付けないと子供に悪影響を与えるから拒否します」という理由をひねり出さないといけないのです。
それにもかかわらず、子どもの話にひきつけずに上記のような理由で面会交流拒否をしてくるのは弁護士としてヤバイです。

こういう違法な面会交流拒否の場合、離婚前なら面会交流拒否の事実が考慮されて親権者が相手方に行ってしまったり(面会交流の拒否を理由として親権者変更がなされた事案もあります)、不法行為に基づく損害賠償請求の対象になったり、面会交流の約束がされたのに拒否するような場合には間接強制といって拒否するごとにお金を払わなくてはいけない事態になったりと、かなり大事になる場合があります。そういう事態になった時、こういう主張をした弁護士はどのように責任をとるのだろうと思うのです(私は、こういう事態になってしまったら、いわゆる「弁護過誤」だと思うのです)。無知は本当に怖いものです。

もっとも、面会交流は監護親と非監護親の協力によってなされるものですから、こういう違法な面会交流拒否をされたからといって直ちに実現されるのは現実的には難しいでしょう。具体的には、話し合いで解決しないと面会交流の実現は難しいでしょうから、裁判所の手続でいうと調停で条件や頻度などを煮詰めていくしかないと思います。そうであるからこそ、「非監護親が無条件の面会交流を認めないのは違法なのが原則」という超基本的なことがわかった弁護士が監護親の代理人にならないと、無用に紛争を激化させたり、上記のような弁護過誤事件を引き起こしたりするのです。

とりあえず、面会交流でお困りの方がいらっしゃいましたら、当事務所にご相談ください。