2018年

4月

15日

本当は怖いSNS投稿と法的責任

 かずさFMネタをもう1本。

 

 4月6日の放送は、本当は怖いSNS投稿と法的責任というテーマでお話をさせていただきました。4月と言えば新生活→大学入学などに伴ってSNS始めてみようという方がいるかもしれない、もともとSNSやってたけど新生活刺激的なことありすぎてみんなに情報共有したいと思う人もいるかもしれない、ということで、このテーマでお話させていただきました。

 

 まず、はじめに申し上げたのは、SNSというインターネット空間に投稿をすることは、駅前で拡声器を用いてその内容を叫んでいるのと同じことですということを申し上げました。

 インターネットの投稿自体は誰の目も気にせずにできるからそういう意味で心理的なハードルが確かに低い(この点で駅前拡声器とは異なります)。でも、ひとたび投稿すれば、その投稿は不特定多数が閲覧できる状況になり、その意味で駅前拡声器と同じになります。

 インターネットは駅前拡声器だから、例えばバイト先に有名人が来たことをSNSに投稿すれば勤務先は当然解雇となるし、勤務先の内部情報や経営戦略などを投稿すれば会社から損害賠償請求をされるし、特定人を中傷したりみんなが知らない事実を暴露したりすれば同じように損害賠償請求をされることになるということをお話ししました。ここで注意しなくてはならないのは、FacebookでもTwitterでも「非公開設定」というやつです。でも、非公開設定をしている場合でも、もともと閲覧できる人がスクリーンショットをして拡散するという可能性もあるのですから、あまりあてにはならないですよねということも申し上げました。

 

 そして、SNSの投稿は駅前拡声器だから、例えば誰かが損害賠償請求の対象になるような投稿(名誉棄損やプライバシー侵害など)をした場合には、特定ができるんですよ、ということもお話ししました。インターネットは匿名が保たれているから投稿しやすいというところもあるのですが、そういう意味で完全な匿名性はないということです。

 近時の裁判例では、Twitterに個人に対する中傷ツイートをした人が裁判所の命令によって特定されたということもご紹介しました。Twitterはアカウント登録の時に必ずしも個人情報を登録する必要はないですよね。だから、一見何を発言しても個人特定はできなそう。でも、そのような淡い期待は法の前には当然敗れ去って、発言した人が誰かわかってしまうのです。自分の発言には責任をもたないといけないという社会のルールが、インターネット上でもあてはまるわけですよね。

個人情報が登録されていないTwitterでも個人が特定できてしまう仕組みとしては、Twitter社はどこからそのアカウントにアクセスしたのかというIPアドレスなどのログ(インターネット上の住所的なもの)は把握しています。そして、Twitterに紹介を出せばその住所がわかって、その住所を管轄するのはどのプロバイダーかはすぐにわかるので、プロバイダーは契約者情報を把握していますからプロバイダーにその契約者情報の開示を求めれば一発なのです。

 

 インターネットは便利だけど、自動車と同じで気を付けて使わないと自分の首をしめるものになると自覚して使わないといけませんね。自戒もこめて。

2018年

4月

06日

いじめ、ダメ絶対!!

 また3か月も空いてしまいました。

 今日は、お正月にかずさFM関連の記事を書いていけばいいということを宣言したので、かずさFMネタを書いていこうと思います。

 

 今週から、新年度がはじまりましたね。

 僭越ながら、千葉県弁護士会の子どもの権利委員会のつながりで、地元の君津市からいじめ調査委員会の委員に選任していただきました。微力ではありますが、君津市のいじめの根絶に努めると共に、弁護士会によるいじめ防止授業も君津市に根付かせていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。木更津市、袖ケ浦市、富津市からのオファーもお待ち申し上げておりますので、千葉県弁護士会子どもの権利委員会までお気軽にご連絡くださいますと幸いです。

 

 この件もあって、先日かずさFMでいじめについて2回にわたってお話させていただきました。

第1回は弁護士会子どもの権利委員会が行っているいじめ防止授業について、第2回はいじめが原因で生徒に重大な事態が生じた場合に学校に責任があるとされる場合はどういう場合かについてです。

 

 いじめ防止授業については、いじめ防止授業の授業例に沿って授業の内容をご紹介させていただきました。全部を書くことは致しませんが、大きな流れとしては、次のような感じです。

  1 自己紹介

  2 弁護士は基本的人権を守るのが仕事(弁護士法第1条)

  3 基本的人権とは(憲法13条前段「個人」として尊重されること。)

  4 弁護士がいじめ防止授業をする理由(いじめは基本的人権を侵害することだから、基本的人権を守るため。)

  5 NF中学S君事件の紹介(ここには引用できないので、知りたい方は各自検索願います)

  6 S君事例でS君の気持ちを考える(心のコップを題材に。「いじめ」と「いじり」の違いなど。)

  7 心のコップをあふれさせないようにする方法を考える

  8 まとめ

  私は生徒さんに発問しながら授業を進めるタイプなので、ラジオでは、ひでじいとりずむちゃんに、本番のリアリティをできるだけ維持した感じで質問しながらお話をさせていただきました。私は、いじめを防止するということは、誰がやるべきということではなくて、いろいろな立場の大人が協力してやるべきものだと思っています。親には親の役割があり、教員には教員の役割があり、同じように弁護士は弁護士の役割があると思うのです。そういうことからすると、弁護士は日常的に生徒に接しているわけではないし、業務の性質からしてインパクトのあるお話ができると思うので、言葉を選ばずに言えば生徒に刺激を与えることができるので、そういう観点からいじめ防止に役に立ててもらったらいいなと思って、私はこの授業をやっています。

 

 そして、いじめで重大事態が生じた場合に、学校が責任を負う場合とは例えばどういう場合なのかということについてもお話ししました。

 ラジオでは具体的な事例(過去の裁判例から引用)を出しながら説明しましたが、ここでは煩雑になってしまうので全部は書きませんが、基本的な方向性としては、学校が認識しているいじめの程度と、学校が重大事態防止のために採らなくてはいけない行動のバランス論なんだということをお話ししました。例えば、確定的に学校がいじめを認識しているような場合には、加害生徒の呼び出しや休み時間パトロールなど学校がしなくてはいけない義務の程度は上がるだろうし、学校が確定的にいじめを認識しているわけではない(いじめを認識しないことについて学校側の落ち度はない)ような場合には、そこまでのレベルの高い防止措置を講ずる義務があるとまではいえないよね、ということをお話ししました。

 

 いじめは、たぶんなくなりません。だから、いじめ調査委員会があるんだと思います。

 でも、いじめによって最悪の事態が起きることは何が何でも避けなくてはいけない。だから、親や先生や弁護士会子どもの権利委員会があるんだと思います。いろんな立場の大人が、少しずつ気を付けていれば、少なくともいじめによる最悪の自体はなくなると思うわけです。そう信じて、私はいじめに向き合っていきたいと思います。

2018年

1月

07日

明けましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

新年をもちまして、当事務所は開設3周年を迎えました。4年目の今年もよろしくお願いいたします。

 

さて、昨年からかずさFMの、第一及び第三金曜日13時から13時半にひでじいのコーナーにゲストとして出演して、法律に関するマメ知識をお話させていただいております。

今年もそれを継続させていただきますが、このラジオ番組でお話した内容をこの事務所ブログでも文書化していけば、このブログも盛り上がっていくんじゃないかなと思いましたので、今年は最低でも月2回ブログ更新していきます!

 

本年もよろしくお願いいたします。

2017年

9月

23日

本人訴訟は誰のためにもならない

最近、仕事をしていて困ることがあります。

それは、相手方が弁護士をつけずに本人で訴訟遂行されているものです。

結論として、このような本人訴訟は誰のためにもなりません。具体的には、①紛争を無意味に長引かせてしまい、本人だけでなく裁判所や相手方にもかけなくてもいい迷惑をかけてしまうということと、②本来弁護士を付ければ本人が勝つ筋のものでも負けてしまうという本人の不利益です。

 

まず、①については、われわれ弁護士や裁判所が考えている常識を一般の方はおもちになられていないので、いちいちその点に関する説明を裁判所にさせたりすることで1回の期日で済むものも2回の期日が必要になったりということはしばしばです。一般的には、早く紛争を解決するということは原告にとっても被告にとっても裁判所も共通した利益だと思うのですが(もちろん例外もあります)、訴訟当事者の片方が弁護士をつけないだけで、一気にこの共通した利益の実現が難しくなります。何か計画を実行に移すときなど、計画に水を差したり和を乱したりして計画の実行を邪魔したりする、空気が読めない人って、集団の中に1人くらいいますよね。裁判所においては、一方当事者が弁護士をつけているのに、弁護士をつけない本人当事者というのは、そういう風な目で見られます。

ご自分で訴訟を進めようとされている方、言い方悪くなってしまいますが、どうせ負けるなら早く負けた方がよくないですかね。何年も裁判に費やして最終的に完敗した場合、その時間って無駄だと思わないんですかね。そういうことになったとき、目も当てられないということに気づかないんですかね。

 

そして、②ですが、これも裁判所や弁護士が当たり前だと思っていることが当たり前でないから、当然のことですよね。

まず、民事訴訟の大原則は当事者主義です。当事者主義というのは、簡単にいうと、訴える側と訴えられる側の両当事者が主張立証を尽くして、出されたもので裁判所は判断するというものです。ですから、仕事が忙しくて書面が作成できなかったとか、主張を明らかにもせずに(それゆえ争点も明らかになっていないのに)「この点に関する証人は・・・」的な話をしたりだとか、「●●という証拠を調べてもらっても構わない」的な話をしたりだとか(裁判所は「提出された」証拠しか見ません。裁判所が主体となって提出されてもいない証拠を調べることはありません。)的な話をしたりするのは、この大原則からしてありえないわけです。当然のことながら、こういう話になってくると、必要な主張がなされていなかったり、必要な証拠が提出されていなかったりというわけですから、普通に負けますよね。弁護士が入って適切な主張や証拠提出をすれば勝てていたかもしれません。そういう致命的なダメージを覚悟で、あえて法曹資格のない一般の方が自分で訴訟をやりたい理由がわかりません。

さらに言えば、一般の方が書かれる書面は、無駄が多いのにポイントがずれているものがほとんどです。これも、一般の方は裁判の流れなどが理解できていないのですから、(もしくは、流れとかは関係なく自分の書きたいことを書いているからかもしれないのですが、)当然ですよね。たまに、私のお客さんの中に、「こんな感じで書いてください」と裁判で提出する書面の案をくださる方もいますが、残念ながら無駄が多いのにポイントがずれているドラフトばかりです。それほど法曹が起案する書面と同レベルの書面を起案するのは難しいのです。例えば、これまであった事実や物語を書きたい場合であっても、それらが法律上の主張の中でどういう意味を持つのかという枠組みの中で書かないといけません。そういう枠組みなど関係なく、書きたいことを書いているようでは裁判所も読んでくれないのです。

 

そういうことで、本人訴訟は誰のためにもならないことはわかっていただけたとは思いますが、そうは言っても弁護士に依頼するお金がないない場合はありますよね。そういうときは、うちの事務所では扱っていませんが、法テラスという国の機関に相談されるのがいいと思います。これは端的には、弁護士費用を国が立て替えて支払ってくれて、利用者は国に対してその立替費用を分割で支払っていくというものです。この場合には、まったくお金をもっていない人でも弁護士に依頼することができます。

 

2017年

9月

11日

一口に「降格」といっても…

最近のご相談で「降格」に関するご相談もあったので、今日はこれをのべます。

 

「降格」とひとくくりで言っても、二種類あります。

「職級」の降格と、「職能」の降格です。

職級というのは、主任とか係長とか課長とか部長とか組織の中の位置付けとして自分がどこになるのかを示すものです。この「職級」の降格の場合には、誰をどのポストに置くかということは企業側に大きな人事権裁量が認められますから、基本的には争うことは難しいです。

しかし、「職能」に関する降格は話が別です。「職能」とは、職業上の能力のことで、典型的には警察組織で言うところの巡査部長とか警部補とか警視とかいうものです。職能は現時点でその能力があるからその等級になっているわけで、普通能力があったのになくなることはありませんから、原則企業側の裁量権は及びません。そして、職能の降格は多くの場合減給など労働条件の根本に関する部分が悪くなることを意味するところ、労働条件の変更は原則労働者と使用者の合意がないとできませんから、やはり企業の裁量権の話にはなりません。もっとも、懲戒処分での職能降格の規定だったり、職能を維持するための資格維持要件などが就業規則に明記されている場合には、そういう範囲での降格があるということが合意の内容になっていると考えられますから、その場合には合理的な理由があるものとして降格は適法なものとなります。

何が言いたいかといえば、もし企業から(就業規則に明記がないのに)「君は今の職能にふさわしくない人間だから、降格させるね」といわれたら、それは違法ですから、弁護士のところに相談に行った方がいいということです。対して、「君は課長の器ではないから、平社員に戻すね」と言われたとしても、法的には対抗することが難しいことになります。

職能の降格について争う場合には、労働審判や民事訴訟によって、以前の職能等級の地位であることの確認請求や降格処分によって減収してしまった分の未払い賃金請求をしていくことになります。

 

労働相談もきみさらず法律事務所までご遠慮なくどうぞ。

 

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